仙台高等裁判所 昭和50年(ネ)382号 判決 1976年1月21日
控訴人
森興業株式会社
右代表者
森茂
被控訴人
宮城県管工業協同組合
右代表者
相馬秀太郎
右訴訟代理人
神谷春雄
主文
原判決を取り消す。
本件を仙台地方裁判所へ差し戻す。
事実
控訴人は主文同旨の判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。
被控訴人主張の請求原因事実は原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。
控訴人は、「控訴人は原審第一回口頭弁論期日の適式の呼出を受けていないから、原判決は違法であり、取り消されるべきである。」と述べた。
<証拠略>
理由
原審は、控訴人が原審第一回口頭弁論期日(昭和五〇年九月二二日)に出頭しなかつたので、擬制自白を適用していわゆる欠席判決をした。しかし、<証拠>よれば、控訴人に対する原審第一回口頭弁論期日の呼出は、特別送達をもつてなされたが、その封筒の宛名は控訴人であつたが、その中には被控訴人宛の呼出状が入つており、控訴人宛呼出状は入つていなかつたことが認められる。しからば、控訴人に対する適式の呼出がなされたとはいえない。この点において原判決は訴訟手続上の違法があり、取消を免がれない。そして、本件は第一審の審理をなすべきであるから、本件を原審へ差し戻すべきである。
よつて主文のとおり判決する。
(石井義彦 石川良雄 守屋克彦)